2018年3月28日水曜日

3月 フィナーレ!ワークショップのご報告

みなさん、こんにちは。
にいがたファシリテーション授業研究会事務局の上山晃平(学生スタッフ)です。

今年度も終わりに近づき、暖かい日が続いていますね。
思わず散歩に出かけたという方も、多いのではないでしょうか(^ ^)

さて、3月24(土)「フィナーレ!ワークショップ~にいがたのファシリテーション授業は、どこへ向かうのか?~」を開催いたしました




以前にもお伝えしました通り、当研究会は「新潟におけるファシリテーション授業の普及」という当初の目的を達成したことに鑑み、平成29年度をもって解散する運びとなりました。

そこで、これまで研究会でお世話になった方々とお互いに感謝を伝え合い、ファシリテーション授業の「次」をともに考える場として、このワークショップを開催いたしました。

スペシャルゲストとして、堀公俊氏(堀公俊事務所代表、日本ファシリテーション協会フェローほか)をお招きしました。
当日はおよそ40名の方にご参会いただき、教員の皆さまをはじめ、NPOや行政職員、高校生まで幅広い立場の方がまた、中には県外からお越しになった方もいらっしゃいました。










まず、ワークショップのねらいや今日の流れを共有したあと、研究会代表である山内先生よりご挨拶をいただきました。
また、「これまでのあゆみ」と題して、発起人の一人である小見まいこ(みらいずworks代表)より、当研究会の活動や成果を振り返りました。































さらに、アイスブレイクとして「私にとって (私の考える)ファシリテーションとは」というテーマを、A4用紙に文字や絵で表現していただきました。
一人一人が持つファシリテーションのイメージは異なっていること、ファシリテーションは単なるスキルではなく、在り方にも影響するということ。
ファシリテーションの「次」を考える前に、「そもそも、ファシリテーションとは何か」ということを、場の全員で共有しました。





















続いて、堀さんより「いま、ファシリテーションが求められている背景」をテーマに、レクチャーしていただきました。










次世代を担うリーダーに必須のスキルとして、「調整力」「マネジメント能力」「創造力」「論理的思考力」「複雑な問題解決力」が挙げられる。
それらすべてを網羅し、育むことができるのが、ファシリテーションである。

堀さんのお話に、大きく頷いている方も多くいらっしゃいました。
「ファシリテーションは、これからの社会に必要である」ということを、参加者全員で再認識しました。




















次に、ペアインタビューを行いました。
「ファシリテーション(の活用)によって、新潟の教育はどう変わったと思いますか?」というテーマで、「話す人」「聴く・書く人」の役割を交代しながら、2人1組で聴き合います。






















教師主導の劇場型の授業から、生徒主導の対話型授業へ。
ファシリテーションが新潟の学校教育にもたらした効果を、お互いにふりかえりました。

そしてメインプログラムである、参加者の皆さんと堀さんとのダイアログが始まります。
サブタイトルは、「堀さんの〈ism〉を引き出す」。
堀さんのファシリテーションに対する姿勢や思いを、予め問いのオーナーが用意しておいた問いによって引き出します。



















2/22(木)に、堀さんへの質問を考える「問いづくりワークショップ」を開催しました。
堀さんのファシリテーターとしての在り方、姿勢など、スキルだけでなくマインドへ踏み込む質問を多くつくることができました。

2/22(木)問いづくりワークショップの様子はこちら↓
http://niigataft.blogspot.jp/2018/02/222-324-ism-active-book-dialogueabd23.html

問いづくりワークショップにご参会いただいた方が「問いのオーナー」として、堀さんに問いを投げかけていきます。
小見がダイアログの場をファシリテートしつつ、他の参加者の方もダイアログに参加していただきました。






















「ファシリテーターという存在をいつ、どのように必要だと思いましたか?」
「ファシリテーターとして、どこまで引っ張りどこから委ねるか?」
「ファシリテーターの評価は誰が、どのようにするのか?」

ファシリテーターとしての在り方、葛藤、評価まで、内容は多岐にわたり、発せられる言葉の一つ一つに、場の全員が聴き入りました。
問いのオーナーである皆さんには、「なぜ自分がこの質問をしたいのか」という意図まで話していただきました。
1人1人が持つ切実な背景まで伝わる、そんな臨場感をもってダイアログは進みました。



















休憩を挟んで、さらにダイアログが続きます。
休憩中に、「さらに深めたいこと、詳しく聴きたいこと」がある方に付箋を書いていただき、ホワイトボードで集類しました。
それらの付箋を基にして、引き続きダイアログを行います。





















「ファシリテーションだけでなく、様々な学び方を組み合わせること」
「ありのままで、人に向き合うこと」
堀さん流ファシリテーションの根幹を深め、学び合うことができました。

ダイアログを終え、最後のワークであるグループ対話を行いました。
テーマは、「わくわくファシリテーションで、どんな学校・地域をつくっていきたいか?」。













ダイアログで学んだことや、研究会で得た学びを、今後は具体的にどう生かすのか。
グループごとに、対話を通じてその「答え」を出し合ったところで、ワークは終了しました。






















最後に、当研究会の世話人である岩崎保之先生(新潟青陵大学)よりお言葉をいただき、ワークショップは幕を閉じました。







にいがたファシリテーション授業研究会は8年前に芽吹き、皆さまと共に成長してまいりました。

春の訪れとともに、この「フィナーレ!ワークショップ」で、その花を咲かせることができました。
私たちは、この学びをしっかりと摘み取り、ファシリテーション授業の「次」を見据えて、留まることなく歩みを進めます。


最後になりますが、フィナーレ!ワークショップにご参会いただいた皆さま、今まで1度でも当研究会にご助力いただきました皆さま、すべての方に、いま一度御礼申し上げます。















またどこかでお会いしましょう☺

【にいがたファシリテーション授業研究会事務局学生スタッフ 上山晃平】

2018年2月26日月曜日

2月 問いづくりワークショップのご報告

2月22日(木)、「フィナーレ!問いづくりワークショップ」を、新潟青陵大学にて開催いたしました。

3月24日(土)に行われる「にいがたファシリテーション授業研究会 フィナーレ!ワークショップ」では、ゲストの堀公俊さんに「堀さんの〈ism〉を引き出す」というテーマで、ファシリテーターとしてのあり方、姿勢など、主にファシリテーションマインドに関する質問を投げかけます。
フィナーレ当日、堀さんへの質問を考えることを目的に、この問いづくりワークショップを開催しました。



プログラムとしては、以前にも当研究会で開催しました「Active Book Dialogue(アクティブ・ブック・ダイアログ、以下「ABD」)」という手法で、堀さんと中野民夫さんの共著である『対話する力――ファシリテーター23の問い』(堀公俊・中野民夫、日本経済新聞出版社、二〇〇九年)を全員で読んでいきます。



以前、ABDを実施した際のブログはこちら↓
http://niigataft.blogspot.jp/2017/04/3.html

現役教員や高校生など、多様な8名の方々にお集まりいただきました。

まず、チェックインとして、半円状で座っていただき、「所属・名前・おすすめの本」を一言ずつ聴いていきました。ABDを初めて体験される方もいらっしゃったため、お互いの本にまつわる思いやエピソードを共有し、アイスブレイクも兼ねてお互いの緊張をほぐします。

次に、ABDの紹介をしました。
※ABDについては、こちらの公式サイトをご参照ください。(http://www.abd-abd.com)



ABDは、大きく「コ・サマライズ」「リレー・プレゼン」「ダイアログ」によって、各人で読んだ本の知識をジグソー法のような形で再構成し、深い学びを得ることを目指しています。今回は、「リレー・プレゼン」の時間を省略し、アレンジした内容でプログラムを構成しました。

1冊の本を裁断して割り振ったパートを各自で読み、要約文をつくる「コ・サマライズ」から、ABDは始まります。担当パートの要約について、一人一人がA4用紙にまとめていきます。



続いて、その内容をギャラリーウォークによって確認し合います。堀さんのファシリテーションマインドについて学んだところで、堀さんへの質問づくりを含めたダイアログの時間に入ります。堀さんと中野さんの対談を読んで、「いま心に浮かぶこと」をベースに、「堀さんに投げかけたい質問」を出していきます。その付箋を1枚の模造紙に集約しました。





その付箋(問い)を基に、堀さんへの質問をどのように展開していくか、流れや質問の順序、内容などを精査し、当日の流れを具体的に考えていきます。



「ご自身がファシリテーターとなる前に、そもそも、ファシリテーターという存在をいつ、どのように必要だと思いましたか?」のように、堀さんのバックグラウンドを引き出す問いや、「ファシリテーターとして、どこまで引っ張りどこから委ねるか? 」「生成的な対話の本質を、子どもたちにどういうプロセスで伝えていく?」などのあり方とやり方(How to BeとHow to Do)のお話など、質問の内容は多岐にわたりました。また、「ファシリテーターとしての自分をどう評価してゆくのか?」をはじめとして、ファシリテーターとしての自分に対するフィードバックや評価をどのようにして得ればよいのか、といった疑問も上がっていました。



 最後に、どのようにこれらの質問を投げかけるか、当日の流れや順序を大まかに整理し、今日の感想や気付きを共有して、ワークショップは終了しました。プログラムの時間が当初のものと変わってしまい、難航するような場面もお見せしてしまいましたが、参加して下さった皆さまのご協力のおかげで、堀さんへの問いを抽出することができました。本当にありがとうございました。



1か月後の「フィナーレ!ワークショップ」で、今回皆さまと考えた問いを堀さんに投げかけるのが楽しみです。引き続き、皆さまのご参加をお待ちしております。

【みらいずworks学生スタッフ 上山晃平】

2018年1月16日火曜日

3月24日(土)フィナーレ!ワークショップ チラシが完成しました!

こんにちは。
にいがたファシリテーション授業研究会、事務局学生スタッフの上山晃平(新潟大学人文学部4)です。まだ厳しい寒さが続きますね。春の足音が待ち遠しいところです。
さて、「にいがたファシリテーション授業研究会フィナーレ!ワークショップ――にいがたのファシリテーション授業は、どこへ向かうのか?」(324()開催)のチラシが完成しました!
ぜひご覧ください。

詳細やお申し込みは、チラシ下にございます。
引き続き、皆さまのご参加をお待ちしております!


<イベント詳細>
2/22(木)堀さんへの問いづくりワークショップ】
■日 時:平成30222() 19:00-21:00
■会 場:新潟青陵大学6号館6201講義室/新潟市中央区水道町15939番地
■内 容:➊Active Book Dialogue(アクティブ・ブック・ダイアログ)
使用図書:『対話する力――ファシリテーター23の問い』
 (堀公俊・中野民夫、日本経済新聞出版社、二〇〇九年)
❷堀さんへの質問づくり
ABDについては、こちらの公式サイトをご参照ください。→http://www.abd-abd.com

3/24(土)フィナーレ!ワークショップ】
■参加申し込み:こちらのフォームにご記入をお願いいたします。
*締切:3/10(土)

■日 時:平成30324日(土)13:00-17:00
■会 場:新潟市中央図書館(ほんぽーと)多目的ホール
■ゲスト:堀公俊さん
■会 費:無料
■定員:50
■プログラム(予定):
・堀公俊さんによるレクチャー
3人インタビュー「ファシリテーション(の活用)によって、新潟の教育はどう変わったのか?」
・質問タイム「堀さんの〈ism〉を引き出す」
・グループ対話「これからの〈子どもが主役の学び〉は、どうあるべきか?」

*ワークショップ終了後、懇親会を予定しております。
当研究会の歩みを振り返るスライドショーも準備しておりますので、併せてご検討くださいませ。

【懇親会】
■時 間:18:00-20:00
■会 場:wa Bar ahiru(ワバルアヒル)東大通店(050-5827-5114
■会 費:4,500
■住 所:新潟県新潟市中央区東大通2-433
新潟駅を背に東大通を直進、ダイハツと立体駐車場の間を進み、イジカリ隣のパークソレイユ3号館1階。
【にいがたファシリテーション授業研究会 事務局学生スタッフ 上山晃平】

2017年10月13日金曜日

大切なお知らせ

こんにちは。にいがたファシリテーション授業研究会事務局学生スタッフの上山晃平(新潟大学人文学部4年)です。
突然のことで驚かれる方もいらっしゃるかと思いますが、
にいがたファシリテーション授業研究会は、
10月の定例会の参加者の承認を持ちまして、
今年度を持って、解散することとなりました。
にいがたファシリテーション授業研究会の発起人として、小見まいこが、皆様にご報告致します。

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にいがたファシリテーション授業研究会にご参加・ご賛同いただいている皆さまへ 
2009年に前身となる「学校にファシリテーション、ファシリテーション・グラフィックを導入するプロジェクト」から発展し、
2011年5月よりスタートした研究会、
「子どもが主役の授業づくりを学び、広める」という目的でスタートしました。
2011年当初は、
「ファシリテーション」というワードを知っている教育関係者の方々は、そう多くはありませんでした。
その後、学びあった仲間の皆様が各地が広めてくださり、
中学校を中心にファシリテーションで授業改革が進みました。
「子どもが主役の授業づくりを学び、広める」という目的
をまずは果たすことができたと考えております。
今後は、各自、各場所で、
その時に「学びたい」と思ったテーマで学びのコミュニティが生まれ
研究会で培ったネットワークや志が各地で花開くことを願っております。
今まで一緒に研究会を盛り立ててくださった皆様、
主旨をご理解し、ご支援いただいた皆様、心より御礼申し上げます。
3月24日(土)の午後には、
フィナーレワークショップを予定しております。
ぜひ最後の研究会にご参加くださいますよう、
よろしくお願い致します。

小見まいこ

10月定例会のご報告

みなさん、こんにちは。
にいがたファシリテーション授業研究会、事務局学生スタッフの上山晃平です。

今年も残すところ3か月を切りましたね。冷え込みも徐々に厳しくなってきましたが、体調など崩されていませんでしょうか?

さて、104()に開催されました、10月定例会の様子をについてご報告いたします。
10月のテーマは、「ファシリテーション・グラフィック道場!~みんなで学ぼう~」。

ファシリテーション・グラフィック(FG)は、「議論を見える化」する技法です。
話し合いの内容(発言や意見、アイデア)を、ホワイトボードや模造紙などに文字や図形などを使って分かりやすく表現することで、共通の枠組みで話し合う議論をつくることができます。
「話し合いがどこまで進んだか、何が決まったか」という議事録としても活用できます。
(参考:『ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法』)


















FGを学び合う場は、過去にも当研究会で開催されました。
そのときの様子はこちら→http://niigataft.blogspot.jp/2014/05/5_26.html

「主体的・対話的で深い学び」が教育界のキーワードになっている昨今、子どもたちが「自ら考え、他者と対話しながら学びを深める時間」はますます求められていくことでしょう。
その対話の際、まさに活用できるのがFGというスキルです。


















子どもたちがファシリテーターとして育つために必須のFGスキルですが、「まずは自分でFGを描いてみよう!」ということで、学校や企業の方から学生まで、多様な方にご参加いただきました。


まず、今回の趣旨を簡単に説明したあと、チェックインを行いました。自己紹介といまの気持ちを3人グループで共有し、会がスタートします。

次に、みらいずworks代表理事である小見まいこさんから、「FG・上達のポイント」と題したレクチャーをしていただきました。
ライター(描く人)は、「共有→発散→探究→集束」という話し合いの流れを意識すること、その場にいるファシリテーターと事前に打ち合わせをしたりして、密に連携を図ることなど、即時実践に向けたポイントが紹介されていきます。
































また、単に描いてそのままにせず、「決まったことや内容をいかに次回へ生かすか」が重要である、というお話もありました。ただ描いているだけの「壁の華」にならないよう、「何のために描いているのか」という目的を忘ないようにしたいですね。

レクチャーを経て、いよいよ参加者の皆さんにもFGを実践していただきました。
11枚の模造紙を使い、ある話し合いを聴きながらFGを描いていきます。
















話し合いは「発散テーマ」と「集束テーマ」の2つで行いました。
そのテーマも参加者の皆さんから募り、発散テーマを「『働き方改革』って何?」、集束テーマを「働き方改革を実現するためのヒントを絞る」としました。
壁一面に模造紙が貼られ、参加者の皆さんが準備を終えたところで、話し合いがスタートします。
話し合いのスピーカーも参加者の皆さんから募り、ご協力をいただきました。
















話し合いで出た発言や意見、アイデアを一人一人がグラフィックに落としていきます。
途中、自分以外の人が描いたグラフィックを見るギャラリーウォークを挟み、「こんな描き方があったのか!」「こう描けば見やすくなるんだ…」といった、自分1人では発見できない気付きを得つつ、皆さんの個性が詰まった様々なグラフィックが完成しました。

















最後にフィードバックとして、ふりかえりワークシートに記入していただきました。
「よかった点」「改善できる点」「次にやってみたい、生かしたい点」を書いていき、自分なりの感想や気づき、反省をまとめていただきました。
















その後、3人グループで「FGをどこで、どのように生かすか」というお話を共有し、定例会は終了しました。


 

















特に、ギャラリーウォークでお互いのグラフィックを見合う場面のとき、参加者の皆さんが活発に交流し合っていた姿が印象的でした。
ギャラリーウォークの時間を過ぎてもお話を続けている方がたくさんおられましたので、「互いにフィードバックし合える時間」をもう少しとりたいところでした。
しかしながら、そうした自然な交流が生まれた場を実現でき、有意義な時間になったと思います。



















FGは、どんな現場でも活用できる手法です。
学校現場はもちろん、議論には必要不可欠なものとして、FGがより様々な場に広まってほしいと思います。

また、次回の記事で、にいがたファシリテーション授業研究会より大切なお知らせがございます。詳細は近日中にアップいたしますので、今しばらくお待ちくださいませ。

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10月わくドキワークショップ>

日時:2017104()
場所:新潟青陵大学 6号館 6201講義室
参加者:25
内容:
・チェックイン
・レクチャー「FG・上達のポイント」
・実践練習
1人会議(自分なりのふりかえり)
・グループ共有
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【事務局学生スタッフ 上山晃平(新潟大学人文学部4年)】