2014年3月30日日曜日

3月定例会のご報告

みなさん、こんにちは。
にいがたファシリテーション授業研究会、学生スタッフの角野仁美です。

最近は、春らしく暖かい日が続いていましたが
みなさんいかがお過ごしでしょうか?

大変遅くなってしまったのですが、3月定例会のご報告をしたいと思います。

1,2月と、「わくわくファシリテーション授業」に記載されている実践を体験しましたが、
今回は、「多分野のファシリテーションを体験しよう」の第1弾!

中越防災安全推進機構の関谷央子さんをお招きして、
″新潟県防災教育プログラム″の一つ、
「【洪水災害編】避難することの出来ない人間の心理を深める」
という中学生向けの授業を体験しました。




 
新潟県防災教育プログラムは、
ちょうど10年前の平成16年10月23日に発生した
中越大震災で集まった義援金のうち、
未配分金(全体の3%、約12億円)の使途を義援金配分委員会で決定し、
つくられたプログラムです。
『震災の教訓を次世代へ』ということで、
H25年度から県内すべての小中学校で実施されることになりました。
収録してあるのは、新潟県内で起こりうる自然災害を想定し、
津波、地震、洪水、土砂、雪災害、等と幅広いプログラムがあります。
 
 
 
まずは中学生になったつもりで、【洪水災害編】の授業を体験しました。
 
はじめに、『大雨が降った時、実際に避難しようとしたことはあるか?』
という問いをペアで確認。
 
全体で確認しても、会場にいる方の中に
避難しようと思った人はいても
実際に避難した人はいませんでした。
 
 
 
実際に、H23年7月29日に起こった「新潟・福島水害」でも
多くの住民が避難しませんでした。
 
   ①避難準備情報
②避難勧告
③避難指示
 
3つの伝達内容について解説があった後、
「新潟・福島水害」でも、②の避難勧告が出されたにも関わらず
多くの住民が避難しなかったのはなぜか?
 
その理由を考えるワークをしました。
 
まずは5分間の個人ワーク。
ポストイットに自分の考えを書き出していきます。
 
次にそれを5人グループになってシェアしていきます。
 
 

その後、各グループで出た意見を全体でシェア。
出てきた意見を集類していきます。


 
・経験や想定にとらわれる
・集団の同調性
・異常な事態だが、危険や脅威を軽視してしまう心理
・知識のない人
・意識が低い人
 
などなど、集類された意見に対して
関谷さんの解説が入ります。
 
 
避難を阻害する人の心理特性として、
①正常化の偏見・・・思い込みによって頭が避難状態にあるという認識に切り替わらないこと
②集団同調性バイアス・・・多数意見が正しいと思いこむこと
③経験にとらわれる・・・過去に大丈夫だった経験があると、次も大丈夫だと判断してしまう
 
主に3つの点が挙げられるそうです。
 
 

 
実際に、3.11の津波による大槌湾の死者・行方不明者の住居地分布を見ても、
海岸から遠く離れた地域の方の方が、
亡くなった方・行方不明者が多いということもデータを見て分かりました。

水害の場合、
安全確保のために最善の行動をとることが、
最も大切なんだということを全体で確認しました。

最後に、ワークシートに
・自分なら水害から安全を確保するためにどう行動するか
・授業を聞いて感じたこと、考えたこと
を記入し、全体でシェアしました。




次に、今回の授業を体験してみて
「自分が授業者なら、もっとここを工夫する!」
「生徒に分かりやすく伝えるために、こういう授業にする!」

という意見をグループで出し合いました。

全員に今回の授業の指導案が配られ、それを見ながら
授業を振り返っていきます。

 

その後、各グループで話し合われた
授業についての意見を全体でシェアしていきます。

「自分ごとに捉えさせることが一番大切」「そのために、導入で身近な資料を使えるといい」
「中学生という立場だから出来ること、についてもっと考えさせる時間をとる」
「地域の方にゲストティーチャーとして来て頂いて、
中学生も地域の一員だということを語ってもらう」
「学校全体で取り組むことが必要。教科横断で授業の中に埋め込むことが出来たらベスト!」
「そもそも、それを語る大人、教員が高い意識を持って伝えなければ!」


などなど、それぞれのグループから様々な意見が出ました。


 
最後に、
中越防災安全推進機構の中野さんのお話があり、クロージング。
 
 
防災教育は、今後さらに学校教育の中で
重要な要素として扱われるべきだと思います。
学校は、地域のセーフティネットであるということを
普段から教員だけでなく子ども達も意識出来たらと思いました。
 
 
関谷さん、中野さん、長岡からお越し頂き
本当にありがとうございました!
 
 
 
次回の定例会もお楽しみに!
 
 

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■日 時:2014年3月17日(月)19:00~21:00

 

■場 所:新潟青陵大学 6号館6201号室



■参加者:35人


■内 容:「新潟県防災教育プログラムを体験 ~洪水災害編~避難することの出来ない人の心理を深める」
 ゲスト:中越防災安全推進機構 関谷 央子さん

・チェックイン
・授業体験!
・授業の振り返り
・全体シェア
・ふりかえり


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2014年3月12日水曜日

3月定例会のご案内

こんにちは。
事務局の本間です。
3月の研究会のご案内です。
1,2月と、「わくわくファシリテーション授業」に記載されている実践を体験しましたが、
3月は、「多分野のファシリテーションを体験しよう」の第1弾で"防災”をテーマにします。
東日本大震災から3年。
みなさんは、きちんと災害に備えていますか?
学校での防災の取り組みは進んでいますか?

「わかってはいるんだけど。。。何をどうやったらいいかわからなくて」
そんな方に是非ご参加いただきたい今回の内容です。
多くの方のご参加お待ちしております。

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「新潟県防災教育プログラムを体験
~洪水災害~逃げられない人の心理をさぐる~」

東日本大震災から3年が経過し、防災意識の再確認と備えが、
学校現場でも必要とされています。
この度、県内の学校に「新潟県防災教育プログラム」が配布されました。
子どもたちと一緒に取り組むことができるプログラムを体験し、
自校でどう活動に落とし込むことが出来るか、参加者同志で対話をしたいと思います。


ゲスト:中越防災安全推進機構 関谷央子 さん

●日時:3月17日(月) 19:00~21:00
●場所:新潟青陵大学 6号館 6201講義室
●参加費:500円
●申込:事前に出欠をお知らせいただけると幸いです
→info@miraisworks.com

2014年3月3日月曜日

2月定例会のご報告

みなさん、こんにちは。
にいがたファシリテーション授業研究会、学生スタッフの角野仁美です。
3月に入ってもう3日が経ちます。今日は雛祭りですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
まだまだ冷え込みますので、体調管理にはお気を付けくださいね。


さて、2月の定例会のご報告です。



今回は、テキスト体験ファシリテーション第2弾!ということで!

田上町立田上中学校、安中校長先生と永野先生をお呼びして、「ファシリテーションを活用した職員研修」を体験しました。

『みんなが主役!わくわくファシリテーション授業』第三部に掲載されている内容です。



まず、安中校長先生から「どうして職員研修にファシリテーションを用いたか」
というお話をして頂きました。

田上中学校は、平成20年度から職員研修にファシリテーションを導入しており、平成22年度から継続的に活用しています。
安中校長先生は、前任校から学校評価を大切にされていて、特に一人ひとりの先生方の参画意識が高まるためには、その年の課題が浮き彫りになった時に、小グループで話し合いをすることが重要であるというお考えをお持ちでした。
そんな中、出会ったのがファシリテーション。
実際にやってみると、チームビルディングの効果が素晴らしいと感じられたそうです。
圧倒的に発言による情報量が増え、3年目の若い先生から「こんなに楽しい会議は始めて!」という言葉を聞くほど。先生方の参画意識が高まり、次の年度になっても学校課題に対する意識を継続することが出来たのと同時に、1人ひとりの先生方の教育活動が活発になり、生徒の活動も充実してきたとのことでした。


次に実際に、その職員研修の内容を模擬体験しました。

「どうすれば学習意識を高めることができるか」をテーマに、
ファシリテーションを用いて各グループごとに話し合っていきます。


まずはチェックインとして
「今日の研修会に期待すること」を
ミニホワイトボードを使って、グループ内で共有。



その後、ファシリテーターとライターを決めて
話し合いを進めていきます。



5分前になったら、それぞれホワイトボードに
具体策を3つ程度にまとめていきます。














その後、各グループの発表。

ライターが主に書いたFGと、まとめのホワイトボードをもとに
テーマに対するグループの考えを全体で共有していきます。



その後、各グループに戻って今日の成果と課題を話し合います。
それについても簡単に全体でシェア。

「自分の意見をたくさん言うことが出来るから、問題が身近に感じられる!」
「面白くて、わくわくするとアイデアがたくさん浮かぶ!」
「FGは構造化することがやっぱり難しい~!」

などなど、たくさんの意見が挙がりました。



最後に、参加者の方から安中校長先生に「ファシリテーションを用いた会議だと、
意見が収束出来ないことがあるのでは?」という質問がありました。

安中先生の答えは、対策が拡散してしまった場合も、「学校」という組織の中では
その後の研究推進委員会や運営委員会で収束することが可能である、とのこと。

職員研修の後、それを基に運営委員会等で出された具体策や方針については
職員に返した時に、先生方はファシリテーションを用いて話し合った内容を覚えているため、
先生一人ひとりの参画意識が各段に高まるそうです。

先生同士の信頼関係も築くことが出来るというのも、ファシリテーションを用いた研修の
醍醐味なのではないかと思います。
また、このような会議をしていると、日頃子どもの意見を十分に引き出していないのではないか
と先生方が自問することが多くあり、授業改善にもつながっているそうです。


今回も、先生方や校長先生、教頭先生はもちろんのこと、
行政、民間、NPO、学生など様々な立場の方が参加してくださいました。

今回の気づきを基に、学校現場を始めいろいろな場所で
更にファシリテーションを用いた場づくりが広がっていったらなと思います。


安中校長先生、そして進行を担当して下さった永野先生、
ありがとうございました。

来月の定例会もお楽しみに!














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■日 時:2014年2月26日(水)19:00~21:00
 
■場 所:新潟青陵大学 6号館6201号室
■参加者:28人

■内 容:テキスト体験ファシリテーション!第2弾
【職員研修】田上町立田上中学校 安中校長先生 永野先生
 
 
・導入
・今日の流れ
・グループワーク
・全体シェア
・感想共有
・質疑応答
 
・ふりかえり
 
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