2016年10月22日土曜日

9月定例会のご報告

みなさん、こんにちは。
にいがたファシリテーション授業研究会、学生スタッフの角野です。

最近は、気持ちの良い秋晴れが続いて嬉しいです。
朝晩の冷え込みに、冬の気配を感じますね。

さて、大変遅くなりましたが、9月のわくドキワークショップ(定例会)のご報告です。

今回のテーマは、「アクティブ・ラーニングとファシリテーションはどう違う?」。
この問いに対して、
ゲストの岩崎先生(新潟青陵大学)の投げかけをもとに
参加者のみなさんと一緒に考えを深めた2時間でした。

写真を中心に振り返っていきたいと思います。


今回も先生を始めとする学校関係者の方だけでなく、様々な現場の方々が28名集いました。
初めての参加の方も多く、このテーマにおける関心度の高さがうかがえました。


まずは、岩崎先生による情報共有の時間。


次の学習指導要領の枠組みと、そこで挙げられている議論を基に、
アクティブラーニングやファシリテーションが叫ばれている背景を共有していただきました。


・有名な話ですが、米国ニューヨーク市立大学大学院のCathy Davidson氏は
「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に、今は存在していない職業につくだろう」と言及しています。
・オックスフォード大学のM・Osborne氏により「消える職業、なくなる仕事」のリストも公表されており、人間にしかできない新しい発想や価値を生む以外の仕事はすべてロボット・機械に奪われると予測されています。
・また更に、「コンピューターの性能は指数関数的に向上し、2045年に人類は生物としての限界を超える=シンギュラリティ(技術的特異点)」つまり、コンピュータの知識が生物としての人間の知能と区別がつかなくなるまでになる時代がやってくるとも予測されています。

子どもたち、そして私たちを取り巻く環境・社会は、驚くべき速度で変化しているのです。


また、そんな中、日本や世界中のあちこちで叫ばれている「人口減少」問題。
新潟県も無論例外ではありません。



そんな中、生徒が「消費者」の気分で学校に来ている状況を問題視。
しかしそれは、「生徒が」「家庭が」「時代が」悪いのか?
授業の在り方にも問題があるのではないか。

・真理を探す楽しさを教える
・複眼的に思考する楽しさを教える
このことが、必要になるのではないか。


また、日本の子どもたちは諸外国に比べて自尊感情が低いことが内閣府の調査からも分かります。


自尊感情は、他者との関わりの中で獲得される感情であることも分かっています。



また、2020年の教育改革について、特に入試改革における変化を紹介していただきました。






こんな内容の個別試験も行われることが普通になります。

入試を通じて、
自分自身の「生き方・在り方(自分軸)」が
自覚されているかが問われてくるのです。



また、大学入試改革と同じ方向性の「改革」が
中等教育学校の入試でも行われつつあります。

実際に、とある中等教育学校の入試問題(適性検査)にもチャレンジしてみました。








入試問題ですが、決まった解答がある訳ではありません。
最後まであきらめずに考え、表現する力、意欲、様々な力を総合的にみているのです。



そのような力をみんなで育むために、重要なのは「対話」なのではないか。




対話とは、知識を「知恵」に変えるプロセスなのではないか。


教師の子ども観・授業観の転換が
これからの社会を生き抜く子どもたちを育むためには
大切なことなのではと、岩崎先生から投げかけてくださいました。



ここで、教育現場で生かすファシリテーションの考え方や手法を
紹介いただきました。





これらの問題提起・情報共有を踏まえて、グループディスカッション。
ファシリテーションやALについて、疑問点や問題点をぶつけ合い、
対話を楽しみました。








・主体的、対話的で深い学びの質を高める手法がファシリテーションなのではないか
・ファシリテーションはALを実践するための手法であり、考え方
・新学習指導要領におけるファシリテーションの位置づけは?

様々な意見が飛び交いつつも、よいモヤモヤが残る
素敵な時間となりました。
これからも、学校現場におけるファシリテーションについて
みなさんと共に探求を続けていきたいと思います。

問題提起&情報共有してくださった岩崎先生、そして参加者の皆様、
ありがとうございました!!


来月は年内最後の定例会です。
皆さんのご参加をお待ちしております^^


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■テーマ:
「アクティブラーニングとファシリテーションはどう違う?
 ―新・学習指導要領におけるファシリテーションの在り方を考える―」


■日時:2016年9月12日(月)19:00~21:00

■場所:新潟青陵大学 6号館

■ゲスト:岩崎保之先生(新潟青陵大学 教授)

■参加者:28人

■内容:
・チェックイン
・ゲストスピーカーの話
・グループディスカッション
・全体共有
・ふりかえり

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